博物館学Ⅲ
1,博物館資料の意義
1博物館法にみる博物館資料
1951博物館法 博物館=「歴史、 、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、 等に資するために必要な事業を行い、併せてこれらの資料に関する調査研究することを目的とする機関」
第2条 博物館資料とは「博物館が収集し、保管し、又は する資料をいう」
↓
多様な博物館資料を収集・保管し、調査研究し、展示教育するための機関=博物館
1973 文部省告示「公立博物館の設置並びに運営に関する基準」
一次資料(実物または現象に関する資料)= ・実物資料
二次資料(一次資料に関する図書、文献、調査資料その他必要な資料)=
↓
実物資料についての情報を伝えるために人工的につくられた資料
「立体資料」=模造・模型
「平面資料」=複写・模写・拓本・写真・実測図・映像音響資料(フィルム・テープ・ディスク)
2博物館資料の多様性
(1)博物館資料としての古器旧物
1868(明治元)年神仏分離令
↓
廃仏毀釈運動→仏像・経巻など破壊消却
大学(後の文部省)→天下の宝器類が失われている→集古館(博物館)建設 献言
至急に文化財を保護すべき
↓
1871 太政官 「古器旧物保存方」の布告
古器旧物=31部門に分類
祭器、古玉宝石、石弩雷斧、古鏡古鈴、 、古瓦、武器、古書画、古書籍並経文、扁額、楽器、鐘銘碑銘墨本、印章、文具諸具、 、工匠機器、車輿、屋内諸具、布帛、衣服装飾、皮革、貨幣、諸金製造器、陶磁器、漆器、度量権衡、茶器香具花器、遊戯具、雛幟等偶人并児玩、古仏像并仏具、化石など
↓
地域や時期を限らずに保存すべき→集められて に保存→博物館資料
(2)古社寺と国宝
内務省 1880(明治13)古社寺保存金交付制度
1888(明治21)臨時全国宝物取調局を設置=古器旧物など宝物の所在調査
1897(明治30)古社寺保存法 古社寺とその所有の宝物の保存保護
↓
特別保護建造物と の選定、国費で保存すべき宝物の選定
1929(昭和4)国宝保存法 保存の幅を拡大→国有・公有・私有の区別なく保存
特定保存建造物と国宝に区別→国宝に一括
1933(昭和8)重要美術品等の保存に関する法律 を防ぎ適正な保存を図る
(3)史跡名勝天然記念物
1919(大正8)史跡名勝天然記念物法 歴史上価値の高い遺跡、鑑賞上価値の高い名勝地 学術上価値の高い動植物・鉱物の指定・保存
(4)文化財保護法による文化財の分類
法隆寺金堂の放火
↓
1950(昭和25)文化財保護法「文化財を保存し、且つその活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献すること」
文化財→5種類に大別
有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、その他の有形の文化的所産で、我が国にとって歴史上または芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなして、その価値を形成している土地その他の物件を含む)ならびに考古資料およびその他の学術上価値の高い歴史資料
無形文化財 演劇、音楽、工芸技術、その他無形の文化的所産で、我が国にとって歴史上または芸術上価値の高いもの
民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事などに関する風俗慣習、民俗芸能およびこれらに用いられる衣服、器具、家屋、その他の物件で、我が国民の生活の推移の理解のために欠くことができないもの
記念物 貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅、その他の遺跡で、我が国にとって歴史上または学術上価値の高いもの、並びに庭園、橋梁、渓谷、海浜、山岳、その他の名勝地で、我が国にとって芸術上または鑑賞上価値の高いもの、ならびに動物(生息地、繁殖地、渡来地を含む)、植物(生息地を含む)、地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む)で、我が国にとって学術上価値のたかいものなど
伝統的建造物群 周囲の環境と一体をなして、歴史的風致を形成している伝統的建造物群で、価値のたかいもの
(5)天地万物と科学技術の所産
自然界→天地万物の世界
生命を有する「有機物」と有さない「無機物」 分類→「自然史系博物館」
「動物」「植物」「鉱物」など
道具類・生活用具
17世紀 科学革命 科学技術の進歩 →「理工系博物館」
18世紀 産業革命
(6)国際博物館会議による博物館の定義
ICOM 「博物館とは、社会とその発展に貢献し、研究・教育・楽しみの目的で人間とその環境に関する物質資料を取得、保存、研究、伝達、展示する公共の非営利常設機関である」
「次の機関を博物館とみなす」
①自然、考古学、民族学上の遺物、遺跡、史跡、および人間とその環境に関する物的資料を取得、保存、伝達する博物館の性格を有する場所
②植物、動物の生物標本を収集・展示する機関、即ち植物園、動物園、水族館など
③科学センターおよびプラネタリウム
④図書館及び公文書センターの常設保存研究所および展示ギャラリー
⑤自然保護地
↓
これらに関係する資料は博物館資料となる
3,博物館資料としての有体物と無体物
博物館法 博物館資料は「博物館が収集し、保管し、又は展示する資料をいう」
↓
自然と人間が生み出した「あらゆるもの」が博物館資料となりうる
↓
特定の「 」も博物館資料となる
(1)「恐怖政治の地勢」博物館
1999「恐怖政治の地勢」博物館が建設中
ベルリンポツダム広場近くにナチズムによる恐怖政治の中枢があった
ゲシュタポ・SS(ナチ親衛隊)本部・第3帝国公安本部など
↓大量虐殺などが計画され指揮された
東西ベルリンの分割などによって消滅
↓
1980 再開発により再発見
1987から 国家犯罪に関する展示が催された
当初半年の予定→10年続いた
↓
1995 恐怖政治の地勢財団を設立
補助金や寄付金による博物館の設立準備
↓
ある特定の空間が歴史資料となり、博物館資料となった例
(2)無体物と有体物
森田恒之氏
有体物 5感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)で感知できるもの
無体物 5感で感知できない概念・観念
↓
人間の生活は有体物以上に無体物で囲まれている→文化そのものが無体物
(例)歴史=時間の経過→形がない=概念・観念として存在 5感などで直接感知できない
文化伝承としての博物館の意義→無体物の記録保存・伝承
「形のないもの」から価値判断や選択→「形のある物」を発見→「形のないもの」の理解や認識をおこなう
無体物を有体物に転換して保存
図書館・フィルムライブラリー→特定の有形物を対象
博物館→もの全般を対象
4,素資料・原資料・博物館資料
(1)素資料から博物館資料へ
博物館資料 ある一定のプロセスを経て博物館資料となる
森田恒之氏
物→(一定の価値を認める)→素資料→(学芸員によって価値を認める)→原資料→(博物館利用者によって利用されて)→博物館資料 (博物館資料)
(加工・展示)
日本の博物館 魅力に乏しい・利用者に対して不親切
↓
原資料を博物館資料とみなして利用者へのサービスを怠った
↓
原資料に創造的加工を加えて利用者に提供し、感動や驚きを与える必要がある。
感動や驚きが知的エネルギーの発散を促し、知的創造のきっかけを与える。
↓
博物館は利用者自身が自分で新しい価値の再発見をするために感動や驚きを与え、知的エネルギーの発散を促す役目をする。
5,博物館資料のワイズユース(Wise Use)
(1)文化資源としての博物館資料
成熟社会→利用者中心の博物館運営→ワイズユースの考え方が必要
1971ラムサール条約 渡り鳥などの水鳥の生息地として重要性の高い湿地を登録し、その賢明な利用によって湿地と水鳥の保護を図る
博物館資料→資料の特性を維持させつつ賢明な利用を図る。
↓
人間社会にさまざまな可能性を与える「 」である。
(2)貴重な実物資料の収集と活用
博物館の重要な機能の一つ→本物の実物資料の収集保存
「 」=自然環境の保全が地球的課題
↓
自然史系博物館=動植物の資料収集に努力が必要→ジーンバンク(遺伝子銀行)としての役割 ↓
ライフサイエンス・バイオテクノロジーの最先端科学への貢献
日本
明治時代→殖産興業 産業革命の達成
大戦後→工業立国
↓
多くの機械や工業製品が産業技術史の資料として収集・保管・研究されていない
(3)博物館資料の整理・保管と保存・修復
資料の整理・保管と保存・修復→博物館の重要な機能の一つ
↓
整理保管のシステム
保存修復のシステムを形成する
(4)創造される博物館
博物館自らが新しい文化の創造の場→「 の場」
1999 福岡アジア美術館
アーティスト・イン・レジデンス事業
アーティストを招いて美術館内の工房で制作してもらうと共に、ワークショップを開いて市民参加の文化創造が推進
2000 府中市美術館
アーティスト・イン・スタジオ
公開制作事業 文化創造の現場の一般公開
ドイツ カールスルーエ ZKM(メディア・テクノロジー・センター)
アートとテクノロジーの融合によるメディアアートの拠点
(5)博物館資料の展示
展示 博物館のワイズ・ユースの第一歩
展示を通して「原資料」を「 資料」へと転換
↓
資料に新しい価値を利用者自らが創造=探求館
(6)博物館資料の情報化
IT革命
博物館資料のデジタル技術によるデータベース化→デジタル・アーカイブ化
↓
バーチャル展示→デジタルミュージアム
(7)知的財産としての博物館資料
知的財産=財産価値のある情報 特許権、実用新案権、著作権、意匠権、商標権などで保護されるべき「無体財産」
米国→1980年代から90年代 経済不況の克服・国際競争力強化
↓
IT(情報技術)革命と知的財産権の強化で世界をリード
日本政府 2002年「知的財産基本法」→「 立国」の実現を推進
↓
博物館資料 自然系資料 遺伝子情報
理工系資料 デザイン情報 「知的財産の宝庫」
映像音響資料 創造性・知的刺激情報
↓
博物館は社会の「 」である
↓
社会全体の利益をあたえる知的財産権としての資料活用
2,博物館資料の整理と保管
「博物館法」の博物館資料とは
第2条1項 「博物館とは、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関」
第2条3項「この法律において博物館資料とは、博物館が収集し、保管し、又は展示する資料をいう」
第3条1項「実物、標本、模写、模型、文献、図表、写真、フィルム、レコード等の博物館資料を豊富に収集し、保管し、及び展示すること」
↓
博物館資料=多岐にわたっている→国民の教育、学術及び文化の発展に寄与するもの
一次資料=直接資料 実物・標本
二次資料=間接資料 模写・模型・文献・図表・写真=実物についての情報を伝える
フィルム・テープ・ディスク→映像・音響資料
国立歴史民俗博物館(民博)の例
民博 世界の諸民族の文化的特色を明らかにし、それらを比較研究するために民族学資料を広く収集、整理、保管して、全国の研究者の利用に供する民族学・文化人類学の研究センター、或いは情報センターとして1974年に創設
↓
1977展示が一般公開
資料→3つのカテゴリーに分類
「 資料」 釣り針から船まで生活に関わるさまざまなモノ
「映像・音響資料」
「文献図書資料」
↓
博物館の性格上「模型・模造・ 」などの二次資料の分類がない
資料の収集
どのようにして資料は収集されるか
採集・発掘・購入・寄贈・交換・ ・製作・借用
民博
1974 海外各地で資料の収集を開始
1974 大型コレクションの受け入れ
東京大学理学部人類学教室が保管してきた6200点→寄託
渋澤敬三創設アチック・ミュージアムを引き継いだ旧文部省資料館資料21000点→管理移管
資料収集
基本方針 館内での委員会で立案・検討
↓民族学の資料として世界各地の諸民族の生活を知る上で欠かせな い資料を現地で直接集める
年間5から8人の研究者を出張させて収集活動をおこなう
モノに関する詳細な情報をセットで集める→収集カードの作成
写真・映像の記録を撮る
業者・個人からの購入・寄贈→ で検討
受け入れのポイント→資料的価値・価格・情報が伴っているか
展示公開されると資料収集活動が停滞・停止する例がすくなくない。
予算・収蔵庫のスペースの問題など
↓
設立目的から勘案して展示・教育・普及・研究のために計画的かつ体系的に資料収集が行われなくてはならない
資料の整理
・収集した資料の整理・保管方法
・一連の流れのシステム化
・情報記入のカード様式=標本(資料)管理ファイル
集めたモノの情報を整理する→大量のデータを集め正確に処理して役に立つ情報を伝える ↓
コンピュータの利用をみこした情報の管理体制が必要
資料の収集時に同時に収集カードを記載
↓収集カードのコンピュータ打ち込みプリントアウト
資料の荷解き= との照合
↓
資料の評価 価格などは第三者による評価委員会をもうける
↓
受け入れ・評価の審査・判断
↓
くん蒸 瓦斯を使って殺虫・殺菌処理を行う
標本(資料)番号の決定→地域別・モノ別・年度別などの分類番号を付加する
↓ 民博では単純に受け入れ順の番号を付加
点検・マーキング
↓ 標本(資料)番号によるデータの入力=資料の保管
破損状況や補修状況も入力して資料を管理する
補修 ↓
↓
写真撮影・実測・計測 プリントして情報カードの付加
↓ ↓
モノは収蔵庫へ ← 情報はコンピュータへ(検索カード・資料カードなど)
検索
収蔵方法
収蔵庫=収集・研究・教育などの活動の源
収蔵庫の大きさ→設立目的によって独自の基準を設け、地域別・モノ別・材質別に資料を分類して配架・収蔵
国立歴史民俗博物館の例
歴史・考古・民俗の資料を収集
収蔵庫 地下2階、地上5階
木・紙・繊維・革・金属など材質別を中心とした収蔵方法
↓
温度・湿度を材質にあわせて管理
天井・壁・床は木製仕上げ→コンクリとの間に空気層を設け安定した温度・湿度を保つ
民博
受け入れ順の配架→一般収蔵庫
漆器・衣類など温度・湿度管理を必要とするモノのみ特別収蔵庫に収蔵
標本番号・標本名・使用地・保管場所などをコンピュータに入力・管理
江戸東京博物館
バーコードによる管理
収蔵効率・見やすさ
資料に合わせた収蔵棚・収蔵庫など設備・器具
↓
資料の取り出しやすさ
探しやすさ
安定した保存環境
定期的な点検
資料管理とその利用
資料管理は に大別される
学術研究情報
管理情報 標本名・収蔵場所・価格・在庫管理・貸出等の履歴・保存情報・展示情報など学術研究情報 標本の種類・用途・使用法など研究に必要な情報
↓
これらをコンピュータにより管理
↓
標本(資料)ライブラリーとして公開することも可能
どこまで公開するかが問題
3,博物館資料の情報化
データベース
目録情報のデータベース
資料の管理 従来、登録台帳や目録カードによって行われてきた
情報提供 所蔵資料目録
↓
コンピュータ化
研究成果の情報のデータベース
一次資料の「 」はさまざまな情報と一体化して博物館資料としての価値を持つ
↓目録情報も研究の成果のもとに行われる
多くの情報が更に付加される
文献・分析結果・他の資料との比較などの研究情報
↓写真・スケッチ・ビデオ・文字など
これらの情報をデータベースにして提供
データベースの目的
情報の検索 データベースは情報の収蔵庫
情報の蓄積と体系化 ↓インターネットの発達
情報の提供にも有効な手段
↓
情報管理体制の必要性
情報化の手法
目的の設定 何のために情報化するか
資料の検索 目的の設定が
資料の管理 内容や規模、コンピュータの規模など
研究成果の情報の蓄積 に影響を及ぼす
情報提供 ↓
博物館の運営方法の想定にも影響する
情報化の目的の拡大→データベースの内容と規模の拡大→博物館業務の拡大
情報の選定
どのような情報を蓄積するか→ の選定
博物館が行っている活動の分析が必要
↓
どのセクションがどのような情報をどのような形でもっているか
異なるセクションの異なる情報形式をどのように関連させるか
↓
今までの仕事のやり方を踏襲するか
情報化にあわせて変えるか
↓
情報化は論理性を必要とするが、活動の自由度や創造性を阻害する
文字情報だけをデータベースにするかマルチメディア・データベースにするか
情報の形式
コンピュータのもつ検索・配列能力を効率的に使う→情報形式の統一化が不可欠
↓
コンピュータの能力の向上→自由な発想で情報を取り扱える
情報の精度
1文字の違いが検索不能に陥らせる→正確な情報が博物館の信頼につながる
↓
文字の揺らぎなどの取り扱いも重要
マルチメディア
映像音響資料と情報
映像音響→二次資料としてあつかわれてきた→情報としてあつかう方が適切
従来 映画として作品をつくる
展示の手段
写真・録音テープ・ビデオテープ→資料になる前の映像音響素材として扱われる
↓
パソコン・インターネットの普及
映像音響素材→映像音響情報としてマルチメディア上であつかうことが可能
↓
文字と同じようにコンピュータ上で情報として扱われる
映像音響素材の情報化
素材の整理
関連する文字情報の整理
映像音響素材のデータベース化→デジタル化
どのように利用するかによって形式と精度を決める
↓
使用目的と装置の性能を念頭に置いて精度と質を選択
マルチメディア・データベース化
情報と情報の関連づけを行う
↓
モノを検索するとそれに関するさまざまな情報が取り出せる
↓
利用者・博物館双方に有効
情報の展開
展示と情報
データベース化された資料情報→展示へと展開
マルチメディア・データベースはそれ自体が展示解説となる場合もあるが、多くは展示の目的によって加工される
↓
展示の素材データベース
展示の課程で資料に関する新しい情報が集められる→データベースへ還元
情報の保存
モノと情報はセットになって学術資料としての価値を持つ
モノの保存が必要なように情報の保存も博物館の仕事
↓
紙に記録されていた情報→CD-ROM DVD 磁気ディスクなどのメディアに記録
↓
メディアの寿命は不明
技術の発展によって現在のメディアが残っている確率は低い
↓
情報の保存を考える必要性が生じている
情報を常に新しいメディアに書き換えていく必要性がある
情報の管理体制が必要
4,博物館資料の保存
資料の保存=( )を遅らせ( )を防ぎ、良好な状態になるべく長く保つようにさまざまな措置を講じること
↓
そのための研究を保存科学(Conservation Science)とよぶ
モノを取り巻く( )
モノを構成する( や )に関する研究 自然科学と人文・社会科学の
劣化原因の究明 共同作業
適切な分析・調査法 ↓
( 処置法)の開発 学際的な研究
1916~20( )金堂壁画修復・・・日本の文化財の調査研究・保存修復に自然科学 が応用された最初
1950 文化財保護法の制定 法隆寺金堂壁画の消失を契機
1952 東京文化財研究所の発足・・・保存科学部の設置→保存科学の最初
文化財保存修復学会(1933年古美術保存協議会として発足)「文化財保存修復学会誌」
日本文化財科学会(1982)「考古学と自然科学」
1882ベルリンの国立美術館に保存修復のため科学研究室が設けられた
1921大英博物館
1930ルーブル美術館、ボストン美術館 科学研究室が設けられる
1934ロンドンナショナル・ギャラリー
1935ベルギー博物館・美術館が共同して博物館中央科学研究所を設立
1930( )で美術品の調査と保存に関する第1回国際会議が開かれる
1950国際文化財保存学会(IIC International Institute for Conservation of Museum Objects→Historic and Artistic Worksに変更)「Studies Conservation」
1946国際博物館会議(ICOM International Council of Museums)ユネスコと協力関 係にある非政府組織
1956ユネスコはローマに国際文化財保存修復研究センター(ICCROM International Center for the study of the Preservation and Restoration of Cultural Property)
1965国際記念物遺跡会議(ICOMOS International Council of Museums of Monument and Sites)建築物や遺跡関係の保存修復
保存環境の要因
光
資料を取り巻く保存環境の要因→ 温度・湿度
害虫
空気中の汚染物質
これらが組み合わされて相乗作用を起こすこともある
光
人間が見るためには「光」が必要 しかし 「光」によってモノは痛む
↓
資料を「展示する」行為と「保存する」行為の微妙なバランスが必要
光源の種類
自然光→太陽の光
人工光→白熱電球(タングステンランプ)
タングステンハロゲンランプ
( )
光ファイバー(1990年代半ば頃から)
光 可視光線=下限360nm~400nm上限760nm~830nm
紫外線=上限360nm~400nm 波長が短い→エネルギーが高くモノの劣化を早める
赤外線=下限760nm~830nm 波長が長い→熱線=温度を上昇させ乾燥を招く
↓
光に当てること自体、モノの劣化を早めることになる。
太陽光では紫外線の内300nm以下は大気に吸収される→残りは通してしまう
↓
太陽光に直接当てることはさける
紫外線を多く含む人工光=( ) 紫外線吸収膜を施したものを選ぶ
紫外線を吸収するプラスチック筒を装着
ハロゲンランプ→全面ガラスつきを採用し、紫外線を減少する
赤外線 人工光=( )・ハロゲンランプ
↓
資料の近くに設置しない
展示ケースのような閉じられた空間では使用しない
ダイクロイックミラー付きのハロゲンランプ→熱線を後ろに逃がす。
1990年代半ば頃 光ファイバーで伝達しスポット照明として利用
↓
小型資料、資料の一部を効果的に照らす
照度と照射時間
ルクス=光源によって照らされている面の明るさをあらわす単位
↓
資料によってルクスの許容値が違う
光に弱い資料 衣類・染色品・水彩画・カラー写真 ( )ルクス以下
油絵・漆製品・彩色のある彫刻 ( )ルクス以下
光の影響をほとんど受けない 石・金属・ガラス・陶器 ( )ルクス以下
↓
国際的な合意
日本は原則として( )ルクスいかに保つことを推奨している
退色や素材の劣化が懸念されるものは( 期間)を勘案した上で照度を低く抑える
照度の与える影響はルクス×時間/年であらわすことができる
↓ できるだけ光を当てないことが劣化を防ぐ
不必要なときは光を当てない工夫をする
観覧者がいないときは電気を消す
展示ケースにカーテンをつける
演色性・色温度ほか
光 有害な光を除去する 紫外線など
照度や照射時間を考慮する
本来の色で見られる(太陽光のもとで見る色と同じバランス)
( 的)に心地よい照明
演色性 色の見え方に及ぼす光源の性質(トンネルの中では色が灰色にみえるなど)
↓
蛍光灯 演色評価値が高いものを選ぶ
色温度 光の色を物理的な数字で表したもの
黒体或いは完全放射体と呼ばれるものを加熱していくと、温度が上がるに従って赤・黄・白・青白へと変化する。この関係を利用して光の色を温度であらわすものが色温度である。単位は絶対温度ケルビン。1ケルビンは-273度に相当。
白熱電球 ( )ケルビン以下
タングステンハロゲンランプ 3000から5000ケルビン
蛍光灯 ( )ケルビン程度
色温度が高い=青白い 冷たい光という印象
色温度が低い=赤みのある 暖かい感じという印象
人間の目は暗闇から明るいところへはすぐ慣れるが、明るいところから暗闇になれるのには時間がかかる→館内の( )を考慮して照明設計する
温度と湿度
温度と湿度は密接な関係
↓
温度によって空気が水蒸気として取り込む水分量が違う
暖かい空気は冷たい空気より多くの水蒸気を含むことができる
相対湿度(RH、Relative Humidity) ある温度においてそのときの空気中に含まれている水蒸気の質量を、飽和したときの質量と比べる→どのくらい空気が湿っているか、乾いているかを示す
日本では温度や相対湿度は四季を通じて大きく変化する
温湿度の測定と記録
地域によって温度と湿度に差がある。
↓
年間を通じての温度と相対湿度の測定と記録が必要
自記温湿度計 温度と相対湿度の変化を同一紙上に記録する機械
温度計部分 膨張率の違う2つの金属を張り合わせている
湿度計部分 髪の毛の収縮を利用
データロガー 温度湿度を測って記憶する→直接コンピュータで解析→ある一定時刻の 点の集まりで線ではない
↓
自記温湿度計とデータロガーの用途による使い分け、併用が必要
温湿度の影響
温度の上昇 化学反応が速くなる→( )が進む
温度による劣化→映像資料のマザーテープは低温収蔵庫に保存されている
湿度の上昇 化学変化の促進
高湿度→鉄製品の錆・染料の退色
湿度による物理変化に注意する必要がある。
木材・紙・革・布・接着剤→吸放湿性が高い 湿度が高いと膨張・低いと収縮
↓
変形・接着剤がはがれる・収縮率の違いからの破損
↓
急速な湿度変化は禁物
人間に住みやすい湿度=虫の繁殖しやすい環境
カビ 相対湿度に左右される→湿度の管理が重要・局部的に湿気がこもる場合もあるので注意=収蔵棚の下の部分や
↓
日本では6月から9月にかけて( 被害)が出やすいので注意
湿温度の整備
日本では温度( )℃前後、湿度( )±5%が平均
↓
材質によって環境を変えるのが理想
漆製品 乾燥による剥離・剥落から守る→やや高めの湿度環境
鉄製品 錆をおさえる→やや低めの湿度環境
↓
相対湿度の急激な( )をさけることが最も重要
以前にどのような環境におかれていたかを考慮して徐々にならし、適切な環境条件を整える。
空調施設 24時間稼働させるのが理想→夜間や閉館時に止められる場合もある。
↓
湿度センサーをつけ加湿器除湿器を設置して湿度変化を抑える
密閉ケースでは( ・活性白土)など調湿剤が有効
↓
さまざまな設定湿度の調湿剤が売られているので利用する
桐の箱・櫃など収納箱自身が調湿の働きをする
害虫
防虫対策 ( ・忌避効果)
( ・資料)に与える影響 これらの影響を考える
( )に対する影響
従来の防虫
日常的な防虫剤 害虫の発生を防ぐ
( ) 衣類・動植物標本の防虫に用いられてきた
ペレット状の薬剤 ナフタリン→( )
↓
速効性があるが、低濃度ではかえって虫を引きつける→常に補充する
※においの強い薬剤どうしは混用しない
↓混用すると薬剤が反応して資料にシミを付ける
まず初めに( なにを使ったか)を必ず確認する
プレート型の薬剤 ジクロルボス(DDVP)
速効性があり、( )が強い
↓
人の行き来する場所での使用はさける
殺虫=害虫の駆除 すでに発生している虫を殺す
( )一番効果的=施行後すぐに効果を発揮するが一時的処置で残効性はない
1975年頃から臭化メチルと酸化エチレンの混合ガスを燻蒸剤として汎用的に資料
酸化エチレン 臨界濃度以上になると爆発のおそれがある毒性ガス
臭化メチル オゾン層破壊物質として規制の対象
↓
1997モントリオール議定書第9回締約国会議
2005年以降は実質的に使用できなくなっている
↓
代替薬剤の開発が必要
代替燻蒸剤 フッ化スルフリル・酸化エチレン・酸化プロビレン・ヨウ化メチルなど
↓
それぞれに長所短所があり、資料の材質や用途によって考慮する
蒸散するもの ピレスロイド系殺虫剤( の成分)
↓毒性が低く速効性がある 分解消失が速い
蒸散が速く殺虫力が強いタイプ 効果が長続きしない
持続効果が長いタイプ 殺虫効果がやや劣る 忌避的効果にすぐれる
↓
人間への毒性が低い 密閉空間でなくても使用できる
細かい霧状にして噴霧 ↓
展示場などでも使用できる
浸透性がない 資料の奥に潜む虫には効果がない
ピレスロイド系殺虫剤 二酸化炭素で希釈したもの
高圧ガスを使用したエアゾールタイプ 市販
プラスティックシートなどにしみこませたもの
↓
環境庁の環境ホルモンに影響が疑われる物質のリストにあげられているものもある
薬剤を使用しない方法
低酸素濃度処理
二酸化炭素処理
低温処理
高温処理
減圧加温
減圧冷却
減圧乾燥
放射線利用
低酸素濃度処理 空気を遮断するフィルムで密閉し、酸素濃度を0.3%以下に保つ。温 度が高いほど効果が速い
小型→( )を用いる
大型→窒素やアルゴンガスなど不活性ガスと空気を置換する
処理期間は1から3週間程度
二酸化炭素処理 二酸化炭素60から70%実施する。低酸素濃度処理に比べコントロ ールしやすい。通常1から2週間程度かかる
低温・高温処理 欧米において行われている→日本ではこれから
総合的有害生物管理
害虫を撲滅する方向から防虫対策へ重点が移ってきている
↓
総合的有害生物管理(IPM Integrated Pest Manegement)
日常的な注意で防虫をする 掃除をこまめに行う
定期的な点検
虫トラップを用いた生息調査→原因の究明
↓
化学的な薬物に頼らない昔ながらの人海戦術
予防保存(Preventive Conservation)
問題が起きる前に日常的に資料を良い状態に保つために意識して予防する
空気中の汚染物質
屋外に由来するもの
屋内から発生するもの
屋外
石油・石炭からの硫黄酸化物 水と結合して( )となる→金属や石なども腐食 自動車からの窒素酸化物 させる
屋内
揮発性有機化合物(VOC Volatile Organic Compounds)
浮遊粒子状物質(SPM Suspended Particulate Matter)
( )類
新しいコンクリート建物 内部の空気が湿ると環境が( )性になる
内装展示ケースの木材・塗料・接着剤→発生する物質が資料に影響する
↓
いわゆる「 」の期間を十分とる
継続的に環境モニターをもちいた保存環境チェクを行う
洪水・地震・台風などの自然災害
1997(平成7)阪神・淡路大震災
建物の崩壊は免れたが展示ケース・収蔵ケースの崩壊・破壊、ガラスの損傷、二次的な水の被害
↓
資料の被害
免震設備などを持つケースなど安全対策が必要
崩壊した旧神戸居留地十五番館
木造建築としても文化財としても日本で初めて免震工法を採用して復旧した
火災
( )水のために資料に二次的被害を引き起こす
↓
使用に制限
二酸化炭素による高圧液体の気化熱による冷却と酸欠状態による鎮火
↓
人がいた場合窒息作用を引き起こす
資料表面に結露する
ハロゲン1301消火 燃焼の連鎖反応を停止させて消火。結露もしない。薬剤量が二酸化 炭素に比べて少ない。
↓
フロンと同様オゾン層破壊物質
新しい消火方法を開発する必要がある
人的被害
盗難・故意の破壊行為・戦乱など
↓
資料の被害が大きい
博物館資料の修復
( )(Preventive Conservation)が重要である
資料の保存環境を整備し、保管と活用の両面において注意を払う
↓
資料に損傷や傷みが生じ、人間の手を加えなくてはならないときが来る
軽度 応急修理程度ですむ
重度 本格的な修理・修復が必要となる
↓
修復とは資料のオリジナル部分に何らかの手を加えることになるので、慎重な判断が必要
修復の( )
資料の自然科学的な調査が必要
観察・写真記録・資料の素材や技術の解明分析
↓
美術史・考古学・化学技術史など各専門家との協議の上資料のおかれている状態を理解
↓
どのような素材や方法で修復するかを判断
観察
肉眼による観察 その資料がどのような状況にあるか
劣化・損傷部分・過去の修復箇所
応急処置で対応するか・根本的な修復が必要か
現状維持できるか
ルーペや実体顕微鏡による観察
ものを立体的かつ鮮明に見るために両眼で観察できるものを選んだほうがよい
5から100倍程度の倍率
汎用顕微鏡 採取した試料の観察にもちいる
生物顕微鏡と金属顕微鏡がある
電子顕微鏡・・・1万倍以上
写真による記録
現状記録 白黒・カラーの写真を複数枚撮る
光を資料の表面にほぼ平行になるように照射するとわずかな凸凹でも誇張して見える
↓
絵画の絵の具の剥離や盛り上がりもわかる
↓
( )写真=表面の形状や状態を記録するのに適している
赤外線→可視光線より物質のなかにやや深くまではいって反射する
↓
赤外線ビデオカメラ=赤外線写真より扱いが簡単
肉眼では同じ色に見えているものも異なって見える→赤外線浸透率が違う
↓
下の様子がよく観察できる
( )の下絵や漆紙文書の調査などに使う
紫外線→一部は物質に吸収され、一部は反射される。物質によってはいったん吸収した 紫外線を可視光域に放出して安定した状態に戻ろうとする
↓
( )
蛍光の有無を記録したもの=紫外線蛍光写真
白色顔料ジンクホワイト→黄色がかった蛍光→顔料の同定にもちいる
洋画の上に塗られた樹脂 ワニス→全体が蛍光→洋画の補修状況等を知る
X線撮影 資料の( )を見ることができる
絵画の過去の修復や描き直しを見つける
外観からわからない内部の虫害を見つける
さびた金属の象眼を見つける
CTスキャナー 立体的な作品の画像処理=コンピュータの発達
エミシオグラフィー 写真フィルムが低エネルギーX線に感度が高く高エネルギーX線に感光しにくい性質を利用
↓
資料の表面の情報だけ得られる
資料の分析
分析の目的 資料が何でできているかその素材を同定する。→保存や修復を考える上での基礎となる情報
↓
非接触・非破壊の方法が良い
やもおえない場合→試料を微量採集して分析する
無機物
蛍光X線分析(XRF)が有効
物質を構成している元素の種類およびその含有量を調べる
電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)
走査型電子顕微鏡と組み合わせて電子線で試料面を走査し、元素の分布を観測する
X線回析分析(XRD)
結晶構造の解明。
有機物
赤外分光分析
分子の赤外吸収スペクトルは主として分子の固有振動数による
↓
分子が違えば赤外吸収スペクトルも違う
クロマトグラフィー
混合物を相互分析する技術の総称
ガスクロマトグラフィー→乾性油や天然樹脂の分析
熱分解クロマトグラフィー→天然素材・合成樹脂・有機顔料の分析
修復
何をどこまで修復するか 一つの答えがあるわけではない
どの材料をどの方法で用いるか ↓
全体を総合的な視点でとらえ、作品の経年変化を尊重することも重要
↓
所有者・修復技術者・学識経験者などの関係者で話し合ってどこをどこまで、どのように修復するかを決める
↓
歴史的見解と美的見解が一致しない場合がある。
↓
ある時点で決断する=人々の考え方、文化が反映される
修復に求められること
対象となる( )
処理を行う人間 これらのことを全て勘案する必要がある
周辺環境
資料を扱う人間
鑑賞・観覧する人間
修復後の( )
将来行われる科学的調査・分析・保存修復にならないような修復方法を選ぶ
修復材料は視覚的、化学的、( )変化をもたらしてはならない
↓
長期に安定した物質がよい
天然素材は長所・短所・経年変化などがすでにわかっている
化学物質はまだ未知数
「 」が重要=資料に害を及ぼさず修復前の状態に戻せる
いつでも除去可能な素材や方法を用いることが前提
↓
もっと良い素材が発明されたりなど、将来の修復などで選択の余地がなくなることをさける
歴史的価値と美的価値を考慮して可視的な明瞭性がもとめられる
↓
資料の既知の美的・概念的・( )特性を変更してはならない
絵画の補修で欠損部分を補彩する場合オリジナルの材料を除去したり、覆い隠したりしては行けない
こうじた措置に対する明瞭性を保つ。
保存修復の記録を作成、どこまでがオリジナルで、どこまでが修復なのか明確にする
使用した材料・処置法・処置した人・処置の日時・観察結果など作品に関わる情報を詳細に記録・保管する
↓
文書と同時に( )によって記録
(保存の )を守りながら固有の文化・習慣を反映できる柔軟な対応を残すことも必要
博物館に於ける調査・研究
博物館法のよる調査・研究の規定
博物館の3つの機能
「( )機能の充実なしには、博物館の存在意義なし」
収集・保管
展示・教育 博物館は本来3つの内在的機能を有する
調査・研究 ↓
相互に関連し高度化することによって、望ましい博物館へと発展
↓
調査・研究機能が中心的役割を果たすことが期待されている
1951 博物館法
第2条「博物館とは、 ・芸術・民俗・産業・自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、リクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関」
ICOMによる定義
1989オランダハーグ 第16回総会
第2条「博物館とは、社会とその発展に貢献し、研究・教育・ の目的で、人間とその環境に関する物質資料を取得、保存、研究、伝達、展示する公共の非営利常設機関である」
博物館における調査研究の多様性
博物館においてなされるべき調査・研究活動の具体的内容を規定
第3条では調査・研究に関わるものとして
「博物館資料に関する専門的、技術的な調査研究を行うこと」(第4号)
「博物館資料の保管および 等に関する技術的研究を行うこと」(第5号)
自然系資料
理工系資料 多種多様な博物館資料の 調査研究
人文系資料 調査研究
マルチメディア系資料
( )
収蔵庫内の湿度・温度・光・空気汚染・生物の害
展示学・展示方法・展示企画・展示環境・展示効果
教育プログラム・評価システム 保管・展示などに関する技術研究
( )
ミュージアムマーケッティング
研究機能重視型博物館における調査・研究活動
博物館の機能分類
全機能型博物館 各種資料の収集保管・調査研究・展示教育のバランスがとれた博物館
( 機能)重視型博物館 既存の資料の保管と展示に重点をおく博物館
( 機能)重視型博物館 利用者に対する教育普及活動を重視する博物館
研究機能重視型博物館 調査・研究機能を重視する博物館
レクリエーション機能重視型博物館 利用者のレクリエーション活動を重視した博物館
研究機能重視型博物館の例→国立民俗学博物館
国立民族学博物館における事例
民博は当初から調査研究の充実を図っている→70名を越える研究者がいる
情報管理施設 資料を整備保管して情報管理システムについての研究を行っている
総合研究大学院大学の設置→博士課程の学生の受け入れ
問題の提起
研究史に関する文献調査
事前調査 ( )
↓
本調査・資料収集
↓
研究
↓
報告書 調査の成果発表 収集・保管
↓ 展示教育
展示・図版目録
↓
資料の保存管理
博物館学芸員と調査・研究活動
博物館学芸員の役割
博物館に於ける調査・研究活動の担い手→( )
戦前 専門職員に関する制度や資格が規定されていなかった。
戦後 博物館法の制定→欧米諸国にならって専門職員として学芸員制度を設置
博物館法第4条
「博物館に、専門職員として学芸員を置く」
↓
「博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事項についての専門的事項をつかさどる」
↓
収集・保管・展示 多面的・複合的な能力が求められる
研究者・教育者 ↓
現状は「便利屋」・「 」とよばれ何でもこなすことが求められ、専門職としての認識が薄い
博物館専門職の分化
欧米諸国→専門職の分化
キューレター
キーパー
↓さらに分化
レジストラー 資料の登録・管理
( )・レストラー 資料の保存・修復
エデュケーター 博物館教育
エバリュエーター 博物館活動の評価
市民参加による調査・研究
地域住民や利用者など市民参加による調査・研究の充実を図る
博物館法第2条 「・・・・資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あえあせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関」
↓
第3条「一般公衆に対して、博物館資料の利用に関し必要な説明、助言、指導等を行い、又は研究室、実験室、工作室、図書室等を設置してこれを利用させること」(第3号)
「博物館資料に関する講演会、講習会、映写会、研究会等を主催し、及びその開催を援助すること」(第7号)
↓
市民自身による自主的で主体的な自己学習(調査研究)の場を保証し支援
市民参加の具体例
平塚市博物館
1976年開館した地域密着型博物館「相模川流域の自然と文化」
地域住民が積極的に参加
古代遺跡を探す会
石仏を調べる会
自然観察入門講座
こども観察会
漂流物を拾う会
博学連携による調査・研究
1996「楽しむ博物館づくり事業」「科学系博物館活用ネットワーク推進事業」
↓
2002「科学系博物館博物館教育機能推進事業」
科学系博物館と学校・地域との連携
( )に於ける博物館資料の活用
教員と学芸員等の共同開発による学習プログラムの作成
学習意欲を換気して地域全体の取り組みによる博物館活動の活性化
海の中道海洋生態科学館(マリンワールド海の中道)
2002 「調べようわたしの町の水辺環境プロジェクト」
2つの小学校1つの公民館と連携
水辺環境に於ける共同調査 水質調査・生物採集
↓
環境保護や保全運動
↓
海洋生態科学館にて展示企画・発表→こどもたちに学芸員活動の機会を与える
特別展 「見て!見て!わたしの町の水辺の秘密」
( )として展示場案内・解説をおこなう
博物館に於ける展示の形態と種類
展示概念と形態
多様な展示概念
展示 最も自らの存在価値を一般市民に訴えるもの
所蔵する資料や情報を公開する機会
1982設立 展示学会「展示学は、一種の であり、展示の技術は雑誌の編集や演劇などと並ぶ総合技術である。複雑な要素を組み合わせて、厳しい制約のもとで最大の効果をあげなければならない」
展示→人類の歴史や文化のなかで一つの( )
祭り・儀礼・身体装飾
多様な展示概念
一般的な展示行為(display)
公開や展覧(exhibit)
商業施設などの( )
旧来の博物館=陳列された展示品→( )
モノの展示する行為→演示
作品と展示空間を一体物として造形的に構成する「 」
展示が対象とする領域
歴史、民俗、民族、芸術、自然科学、動植物 伝統芸能、音楽、
一点一点ごとの( )
資料を集合的に網羅するジオラマ、( )
環境調和型展示 地域の伝統文化や構造物及び伝統産業などを保存と活用を両立させ るインスタレーション
展示の種類
新井重三による分類
A展示の意図による分類
1,提示型展示 2,説示型展示 3,教育型展示
B展示場所による分類
1,屋内展示 2,屋外展示 3,移動・巡回展示
C展示期間による分類
1,常設展示 2,臨時展示( など)
D資料の配列方法による分類
1,個体展示 2,分類展示(系統展示) 3,時間順展示
E展示課題による分類
1,生態展示 2,構造展示 3,歴史展示
4,比較展示 5,収蔵展示 6,総合展示
一つの分類であり、ひとつの提示が複数の分類される
生態展示・伝統文化の保存
国際交流の場としての生態展示
山形県鶴岡市 出羽庄内国際村・アマゾン民族館
1994 草の根の国際交流の推進と国際理解の充実
国際的に魅力ある町づくりをめざす拠点
↓
鶴岡在住 文化人類学者 山口吉彦氏のコレクションを中心とした収蔵・展示施設
伝統文化の生きた展示
岩手県遠野市 博物館群 市立博物館と隣接した民家で民話を体験できる「昔話村」
郊外施設「 」など伝統家屋の展示・保存→「伝承館」語り部・木工細工など
「ふるさと村」→野外博物館施設
↓
遠野という観光資源を有している
常設展示と特別展示
常設展示
展示の基本理念
研究と収集に裏付けされた最新の情報と資料を正確に提供するため、学問的な体系から構成されたもの
↓
近年 展覧会や( )などの展示方法から影響
↓
意図的に入館者の( )を引く演出方法
過度なイメージを与えることは危険
博物館の常設展示
研究成果をできる限り広範囲に発信する空間
入館者自ら自由に学ぶ核となる場所
↓
多様な資料や情報を多面的に公開するように施設や空間構成を検討
新しい資料の入れ替え可能→( )な建築構造
柔軟な展示形態
特別展示
入館者の増加を図る面でも重要
展示がある特定目的のプロジェクトやグループにより行える
↓
展示方法に( )な試みが導入できる
入館者の反応が直接受け止めやすい
館外からの名品借用に依存しがち
展示方法が展覧会的な手法に傾注する傾向→新聞社の企画・運用を依存すると危険性が高まる
実物の展示とリアリティー
五感で体験する展示
理想の在り方 ( )をリアルタイムに人間自ら五感で共有する
↓
テレビや写真から受ける二次情報とは本質的に違う
その場に行かなくては体験できないリアルな空間
↓
ガラスケースやバリアなどはない方がよい。
↓
露出展示・直接ふれる展示=代替可能な資料に限られる
資料の劣化・破損・( )などリスクをともなう展示
実際は資料保存・防犯などのために露出展示できるものは少ない。
↓
壁を取り払う替わりにハザードなどの間を設ける展示
個々の資料の特性に適合した展示形態を検討する必要
収蔵展示
モノがどのような過程で展示されたかという一連の( )を見せることで入館者が学芸員の研究や展示作業を追体験ができる
↓
博物館裏方見学やワークショップなどにつながる
展示解説と教育的展示
多様な利用者→小学生から老人まで
事前知識がないと展示を全て理解するのは難しい
↓
解説パネル・キャプションは重要→多すぎると展示の障害
人による展示解説が効果的
学芸員・( )による解説
博物館における展示計画
展示の基本計画
博物館の展示→博物館が収集したさまざまなモノや情報をもとに調査と研究の成果を反映すると共に、入館者にとってわかりやすい展示でなくてはならない
↓
具体的な展示の条件設定が必要=展示理念・基本計画
展示目的の設定
展示資料の質と量の設定
対象となる入館者の設定
展示目的の設定
展示担当者が「何をしたいのかという理念」を明確にすること
↓
「どの資料」を使って
↓
「誰を」対象として
↓
「どのような手法」で
↓
「どのように見せるか」が設定される
展示手法
1,解説・説明的手法
資料そのものの評価や由来、来歴などを具体的に解説する
歴史系博物館に多い
2,( )
資料とそこに生活する人々が、どのように関わってきたかを具体的に示すこと
民族(民俗)系博物館に多い
3,体験的手法
資料や装置などを、入館者が直接にふれて体験できること
科学館に多い
4,( )
おもに美術工芸品等に用いられるもので、資料の観察や鑑賞を目的としたもの
美術館におおい
最も効果的な手法を採用するとともに、限られた空間と予算のなかで、展示形態や配列及び展示方法などの実施計画をつくる
新潟県立歴史博物館の場合
新潟県の歴史民俗を総合的に研究・紹介する
全国的あるいは世界的な視点で縄文文化を紹介する
↓
「新潟県の歩み」
「雪と暮らし」 4部門で構成
「米作り」
「縄文展示」
「雪と暮らし」→教育的手法
「縄文展示」→解説・説明的手法
↓
生態展示として「環境復元型展示」
縄文時代の住居
雪国の家屋・雪のレプリカ←展示室内に冷風を送る=皮膚感覚で体験
展示の計画と実施計画の策定
基本理念や展示資料に基づいた
展示テーマと展示シナリオの作成
展示ゾーニングと( )の設定
展示技術の検討
↓
設計図の作成・予算
学芸員だけで行うことはまれ→専門業者と協力する
*海外では専門のアートディレクター・展示デザイナーがいる
国立民族博物館2002「世界大風呂敷展-布で包むものと心-」
実施計画 展示施工 図録など関連出版物 ポスター 広報計画など1年前に完成しておく必要がある
魅力ある展示と環境
従来の展示 実物を時間を掛けて鑑賞する場合の設備・環境・サービスに欠ける
近年の展示 建築家やデザイナーの建築でホワイトキューブという明るい展示
↓
入館者の立場を重視しているか疑問
・建築家の志向に偏る
・資料搬入や入館者のアクセス 問題が多い
・レストランやロビーの環境
外見や展示ばかりではなく、( )や外の環境も重要視する必要がある
MIHOミュージアム
I.M.ペイ設計(ルーブル美術館の設計者)
設計コンセプト 桃源郷→博物館と自然の融合
自然・建築・美術資料の要素を融合
↓
80パーセントを地中に埋没させた
回廊には大きな窓があり自然景観を展示している→自然光を安全に取り入れる工夫
鳥取市わらべ館
子供の童謡やおもちゃをテーマ
唱歌を体験→昭和初期の小学校の木造校舎を再現→臨場感
博物館で展示を実施する目標
入館者がモノをとおして感動・発見・学習するような空間を構築することである
博物館に於ける展示技術
展示空間の構成
博物館 空間的メディアの構成によって多様な情報を伝達する場であるとともにその情 報を利用者が活用する場
情報 学術的な研究情報
博物館活動のプロセス情報 収集・保管・調査・研究・展示・教育など
↓
展示はそのような情報を展開する上で重要な空間
情報時代の到来
テレビ・ラジオ・ビデオ→映像・( )メディア
新聞・雑誌→印刷メディア
インターネット→電子メディア バーチャルリアリティ( )双方向通信
↓
( )の情報力を再認識
実物資料の展示技法や手法を再検討する必要がある
展示資料の加工
展示情報をいかに明解に提供するか
↓
展示技法
展示資料そのものの加工技術=許される範囲で行われる
・資料についての( )が終了している
・資料の( )上の問題が解決している
↓
資料の内部構造を紹介するために( )にする
資料の修復や保存処理に伴い資料に( )を加える
実物に替わる展示資料として( )や( )を制作する
多様な展示資料
実物資料 一次資料 ( )
模型
複製品( )
平面資料 二次資料 間接資料
模写 実物以上の情報量を提供できる場合がある
複写 保存上の問題も実物資料に比べ生じない
拓本 ↓
多様な展示形態が可能
安易にレプリカや二次資料に依存することは問題→「 を見る」ことが大切
↓
二次資料は実物資料の( )として扱われるべき
「博物館の展示は等身大のメディア」
↓
人とモノの対話空間
従って主役は( )と( )である
モノに良い空間 この空間こそ( )でなくてはならない
人に良い空間
人によい空間
( )
無機質な白を基調とした展示空間→いかなる制約や規制からも開放
↓
どこの美術館も同じで個性をなくす
どのような資料と展示技術を組み合わせるか→展示空間の構成を検討する
入館者の( )と( )を考える
↓
動線計画 展示ストーリーに応じた単純明快な動き・火災防災に対応
視線計画 目線より少し下のほうが疲れにくい
↓
博物館の展示意図によってフレキシブルに対応する。
バリアフリー、施設・展示具の安全性、防災
見る人に優しい環境をつくる
モノに良い空間
( )上の問題
建物や展示台の( 技術)
参加型展示
実物資料を手にとって五感で感じるような体験型参加型展示が注目されている
↓しかし
多くは触るだけで
関連の情報を提供したり学習コーナーやギャラリートークという形だけである
入館者自らが展示物にふれたり展示空間に参加できるような工夫が必要
寺山修司記念館
机の上のスタンドや懐中電灯で引き出しのなかをのぞき見る→寺山の業績を発見する
国立科学博物館
森のジオラマのなかに双眼鏡をおき自分でのぞいて鳥などを発見する
博物館資料の未来
( )としての博物館資料
博物館→公共的価値
博物館資料は資料を蓄積した特定の博物館の資料というよりも「公共の財産」「公共の文化資源」と見なされるべきである。
↓
博物館資料は「公共財」
成熟社会での生活の( )が問題→博物館の重要性が高まる→博物館資料の意味が重要
博物館活動
博物館資料
博物館組織 博物館( )の成立
博物館利用者
博物館資料は博物館と利用者を結びつける媒体であるべき
↓
博物館は展示活動を通して資料から利用者に驚きや感動を与える
↓
驚きや感動は( )の始まりであり、利用者の生活の質を向上する
博物館資料に関わる倫理規定
1986アルゼンチンブエノスアイレスICOM15回総会
「国際博物館会議職業倫理規定」
↓
資料に関する倫理
「博物館コレクションの取得」
( )の取得に対する責任
フィールドワークに伴う倫理問題
資料収集に関する博物館相互協力の必要性
( )の重要性
資料収集に伴う利害衝突の回避など諸問題に関する倫理規定
「コレクションの処分」
処分に関する法律とその他の権限の明確化
処分手続きに伴う責任
( )な形で入手された文化財の返還に伴う責任
「専門職の行為」
公共に対して大きな責任を持っていることが明記
すべての活動に( )でもっとも厳格な倫理原則ともっとも高い義務基準をもってあたらなければならないことが規定
個人的動機や利益に関与してはならない
贈り物や便宜を受けてはならない
「コレクションに関する個人的責任」
資料収集にあたってきわめて( )でなければならない
資料の記録・保存・修復についての責任
資料の処分に伴う責任
生きている動物の( )
人骨や宗教遺産に対する責任
個人的収集活動にともなる倫理問題
学社融合
( 教育)と( 教育)がそれぞれの役割分担を前提として、学習の場や活動など、両者の要素を部分的に重ねながら一体となって子供たちや地域社会の人々の教育に取り組んでいく
↓
学校と社会教育施設(博物館・ ・ )の連携
↓
ゆとり教育の一環として学校による博物館の利用が進む
博学連携への課題
欧米の博物館では( )を専門とする担当者が教育プログラムを開発
↓
博物館が「生きる力」を学ぶ場として十分に機能
日本でも専門家の必要性がある
対話と連携の博物館
日本博物館協会2000「対話と連携の博物館:理解への対話・行動への連携」として報告
新しい博物館の理念
「21世紀にふさわしい「望ましい博物館」とは、知識社会に於ける新しい市民需要に応えるために、「 と 」を運営の基礎に据え、市民とともに新しい価値を創造し、生涯学習活動の中核として機能する、新時代の博物館である」
「対話」の活動原則の提言
1,博物館は博物館( )の全行程を通して対話する:収集保管・調査研究から新展示・慰楽まで
2,博物館は利用者、潜在的利用者の全ての( )と対話する:面談からインターネットの双方向交流まで
3,博物館は年齢・性別・学歴・国籍の違いと、障害の有無を越えて対話する:施設・情報を全ての人に利用可能にする
4,博物館は( と )を超えて対話する:博物館のIT革命を推進する
「連携」の活動原則
1,博物館は規模別、館種別、設置者別、( )の相違を超えて連携する:相互理解が連携の道を拓く
2,博物館は( )、大学、研究所等と連携する:博物館活動の科学的基盤を整備する
3,博物館は( )、行政、民間団体、企業等地域社会と連携する:市民参画が新しい地域文化を創造する
4,博物館はアジア、太平洋地域および( )の博物館・博物館関係諸機関と連携する:地域連携から国際連携へ
テンプルとしてのミュージアムからフォーラムとしてのミュージアムへ
・テンプルとしてのミュージアム
すでに評価の定まった宝物を人々が拝みに来る神殿のような場所
19世紀までの博物館の在り方→教会や王侯貴族による収集=ルーブル・大英博物館など→既成の価値観の強化
・フォーラムとしてのミュージアム
未知なるものに出会い、そこから議論や対話が始まる場所
双方向的対話性の重視 展示する側・展示される側、見せる側・見る側
↓
展示する側 展示される側 展示を( )のさまざまな対話が新しい発見を生みだし、文化を生み出す
マルチメディアと博物館資料
マルチメディア・データベースとデジタルアーカイブス
国立民族学博物館25万4000点の標本資料を所蔵している
↓
展示されている1万3000点
↓
約( )%は利用者の目に触れない
↓
デジタルアーカイブ化が完了すればアクセスが可能になり利用者のニーズに応えられる
マルチメディア・データベース
デジタル化した情報をコンピュータで融合する→双方向的にやりとりできる
↓
利用者はインターネットを使ってデジタルアーカイブにアクセスし双方向的に情報をやりとりできる→( )ミュージアム
デジタルアーカイブによるマルチメディア・プレゼンテーション(五感に訴えかける資料の提示)→オンライン上でバーチャル展示
博物館情報のネットワーク化
世界的規模で「情報の 」→「電子博物館」
博物館資料の市場的価値
文化財や文化遺産や芸術作品やデザインなどに関する情報→( )として取引
↓
博物館が有するコンテンツは商品としての価値を有している
知的財産としての博物館資料
「知的財産基本法」
1( )、著作物などの人間の創造的活動により生み出されるもの
2( )、商号などの事業活動に用いられる商品・役務を表示するもの
3営業秘密などの事業活動に有用な技術上・営業上の情報
知的財産権として特許権・実用新案権・育成者権(植物新品種の育成者を保護)・意匠権・著作権・商標権・パブリシティ権・不正競争防止法によって守られる事業者の利益に関わる権利
↓
博物館では多くの出版物を出版・テレビやビデオ番組を作成・研究を発表
研究分野での創造的活動
展示・学習分野での技術・情報
所蔵する標本
資料の( )
音楽や芸能の資料
↓
知的財産権になる→知的財産の活用と運用を考えなくてはならない
「社会の 」である以上、博物館の利益だけでなく社会全体の利益になるように考えるべき
被写体の肖像権や( )にも配慮する義務がある
商品化
欧米の博物館では所蔵する資料は貴重な( )とみなす
↓
できるだけ有効活用して資源の( )化を図る
( )の開発
標本などからライフサイエンス・バイオテクノロジーの研究開発を進める
動植物コレクション→ジーンバンク(遺伝子銀行)→経済的価値もある
美術コレクション・デザインコレクション→「芸術情報の宝庫」
↓
( )産業の可能性
博物館資源を活用した地域づくり
地域活性化のため文化遺産や産業遺産・自然資源を活用
↓
地域全体を「 」とみなし地域資源を博物館資源として地域の活性化を図る
↓
( )など
博物館資料の創造
「文化創造拠点」としての博物館→博物館が文化を創造する
博物館資料のワイズユース
利用者中心の博物館運営への転換
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博物館資料のワイズユース(wise use)
( )条約1971 湿地という生態系を維持しつつその賢明な利活用によって湿地と水鳥の保護を図る
博物館 資料の特性を維持しつつ賢明な利用を図ることによって
( )に感動を与え
新しい文化創造の源となり
新しい( )創出の原動力となる
地域社会の活性化を図る
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博物館資料を維持しつつ文化資源として賢明に利活用していくかが重要課題